「心を分かち合う喜び」
かつて、貧窮にあえいだ日本及び日本人は、生活が豊かになれば幸せになれるだろうと思い、この数十年、必死に働いてきた。
そのお蔭で生活は向上し、豊かな社会が出来上がった。
しかし、それが必ずしも幸せを生まないことを、いま、日本人は体験している。
では、幸せの正体はどこにあるのか、幸福は幸福感によってもたらされる。
幸福感は、独りでは得られない。心を分かち合える”何らかの存在”があってこそ味わえる感性の喜びだからである。
心を分かち会う世界、これを”共感”という。
人生の根源的な喜びは、共感の世界を強固に持つことで得られ、それを広げていくことで豊かに育つ。
共感の世界を生み出す人生の基盤こそ、個々の家庭が担っていることを知らねばならない。
日本再生の一つのカギはここにある。
(豊水、「スコーレ」より)