現代人は、朝食信仰があるようで、朝食を摂らないと健康に良くないと思い込んでいる人が多数いると思います。
ところが朝食を摂らない方が却って健康に良いそうです。
予防医学の第一人者小山内博先生の著書「生活習慣病に克つ新常識」(新潮社680円)は目から鱗です。
私達は、おなかが空くという生理現象を、胃袋が空っぽになる、だから、食事を摂る、これによって次の仕事への活力になると思っています。実はこれは誤解だそうです。
小山内博先生は、空腹時の血糖値のコントロールが重要と説きます。空腹時には血糖値は70mg/dlまで下がります。これを我慢していると、90まで上がるそうです。その時、体内に蓄積されている脂肪を燃焼し、空腹感が治まります。
朝起きるとおなかが空かないのは健康の証明だそうです。つまり、血糖値が90まで上昇しているので、健康な人なら空腹感を覚えないそうです。
もし、何も食べないことが不安の人は、ショウガ紅茶に黒砂糖を入れると、空腹感は満たされます。
一番健康によくないパターンは、朝食を食べた後、食休みをせずに、直ちに出勤することです。これが肥満の原因となるそうです。せっかく90まで上昇した血糖値が、一気に160まで上がり、蓄積された脂肪分を分解しないまま、血糖値が上昇してしまうからです。
昼食も同様です。食休みをせず、仕事をしたり、スポーツに興じたりすることは一番健康に良くないパターンで、肥満の原因となります。因みに、昼食も軽めで良いそうです。忙しくて昼食を食べる時間がない場合、抜いても健康には問題ありません。却って、断食効果が出るくらいです。当然この時も、空腹時の血糖値が上昇し、体内の脂肪を燃焼しているので、空腹は治まるそうです。
「親が死んでも食休み」という格言がありますが、これは言い得て妙です。
最後の夕食は、しっかりと食べる。但し、寝る4時間前までには終えることが肥満にならないポイントです。
血糖値による食事のコントロールの仕組みを理解すると、3食しっかり食べないという強迫観念から逃れることができます。これが最高のダイエットとなるわけです。