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「生きることの一面」

「生きることの一面」

生きるということは、一面において環境との付き合いを意味する。
春が来れば、冬の厚着を脱ぎ、秋が来れば、夏の薄着とおさらばする。
雨が降れば、傘を差し、嵐が来れば、家の備えを固める。
梅雨で雨が続いても、せいぜいぼやくだけ。天気に文句を言う者はいない。
少々不満はあっても、環境と上手に付き合っているなら、日々は楽しく暮らせるものだ。
こうした環境との付き合い方を、人はどうして身近な人間関係に応用しないのだろう。
夫からすれば、妻は環境である。妻にしても、夫や姑は環境である。隣近所も、環境であろう。
しかし、人はその環境に不満ばかり言い、環境を変えようと無駄な努力を繰り返す。
環境は抵抗し、より悪い関係が出来上がる。
その原因は、どこにあるのだろう。家族もまた環境の一部であることを、自分が忘れ去っていることにあるのだ。

(豊水「すこーれ」より)


  • Posted by TOTO. at 2013年07月06日13:28
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