「自分の眼」を知る
私たちは常に、自分の周囲を見る。
人やモノや景色を見て、あれはどうだ、これはどうだと品定めをする。
そんな折、他人の欠点やミスを語るのは、そう不愉快なことではない。
自分を高みにおいて論じることができるからだ。
しかし、ひとつ気をつけねばならないのは、自分が見ているのは「自分の眼」に映じた人、モノ、景色であることだ。
他人が見れば違う品定めとなるかもしれない。
人は、自分の程度の見方しかできないことを、私たちは忘れてはならないのだ。
「自分の眼」はどの程度の高さと広さをそなえているか、それをきちんと自覚できてこそ、適正な見方ができるのであろう。
(豊水・「すこーれ」より)